院長コラム
Column

ご高齢で血圧が高い方では拡張障害による心不全にも注意です

2017年05月22日

年齢を重ねるとともに、血圧が高くなります。その状態が長い間つづくと心臓の筋肉が肥大したり、筋肉の線維の成分が増えてきます。肥大した筋肉は硬くなるので、収縮する力は問題なくとも拡張(広がり)しにくくなります。柔らかい風船のような柔軟性のあるゴムから、軟球のような硬いゴムのようになるような感じです。

心臓が拡張しにくくなると、急に負荷がかかった時に心臓の中の圧が高くなりやすいために、肺の血液が心臓にかえりにくくなり、動いたときの息切れの原因となります。また血圧が200mmHg以上に上昇したするような大きな負荷が続くと拡張した時の心臓の圧力が急に高くます。そのため肺に水があふれだす急性の心不全をおこしてして救急車で病院に搬送される方もおられます。

従来心不全といえば、十分な収縮機能が発揮できない(ポンプの機能の低下)ためにおこることが多かったのです、最近では高齢社会を反映し、拡張不全を示す患者さんの割合が増えてきています。血圧を普段から適切に管理し、過度のストレスが急にかからないようにしておくことが大切です。

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