院長コラム
Column

これを飲めばずっと元気になれますよって?

2017年06月15日

健康食品やサプリメントの広告は職業上からもどのように宣伝をしているのかは少々興味をもって見つめています。よく60歳、70歳位の元気な方がモデルになっていますが、本当に最近でたこのサプリメントを長い間飲んでいたのかな?と思うこともあります。また運動習慣がある立派な筋肉を維持されている方がでてこられると大阪人としては思わず「サプリメントと関係ないんちゃうの!」と突っ込みたくなるときもあります。

おそらく短期的には有効だという研究結果を根拠に宣伝されているのだと思いますし、その気持ちもある意味理解できます。しかし、循環器の医師としては、長期的に服用されたときに本当に元気で長生きされた証拠があるのかは気になります。どうも仮説とイメージのみが先行して長期的な視点での証拠は乏しいようです。

酸化刺激が動脈硬化や老化を促進するという背景から、昔から抗酸化物質であるビタミンCやβカロチンなどの服用が推奨されていました。短期的にいろいろなよい効果が証明されていますが、長期的に必要以上に服用つづけてもあまり予後の改善効果はないようです。老化の過程や病気の発生には多くの因子が影響しますので、一つだけを改善しても不十分なのかもしれませんし、それとも長期的には効果が薄くなって続かないのかもしれません。

おそらくこれだけのめばずっと大丈夫という魔法の成分というのは今のところはないのかもしれません。長期的に生活環境や運動習慣をふくめ多角的に改善することが、元気に長生きするには大切なのだと思います。

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