院長コラム
Column

大阪みなみは活気に溢れ

2017年08月31日

大阪を代表する歌である「大阪で生まれた女」は多くの中年以上の関西人が好きな歌で私も昔から時折カラオケで歌っています。大阪の街を舞台に心疲れた女の人が青春の終わりを哀愁漂いながら唄う歌です。大阪のどの場所なのかはわかりませんが、街の雰囲気から舞台は大阪のみなみのことだと昔から勝手に思ってきました。

歌詞では「街は活気にあふれ、又どこからか人がくる」とあります。もちろん今でも大阪みなみは多くの人が集まる大阪の繁華街です。私の生まれ育ちは東大阪ですが、昔から遊びにくるのはいつもみなみでしたし、出身高校がみなみ近隣の上本六丁目(上六)と鶴橋の間で、みなみ界隈に友人の家もあったこともあり、この街の雰囲気を30年以上は見つめてきました。何年か前あたりでは裏通りあたりでは人通りは少ないところもあり、さびれた店を見ると他の地方都市と同じくどんどん人が集まってくるという時代は終わったのかなあと、別の意味での哀愁を感じるときもありました。

しかし、この数年は多くの人がどこからか集まり、大阪のみなみの街は活気にあふれているのです。クリニックの空き時間や診察の前に周りをぶらぶらしていると、平日にもかかわらず多くの観光客であふれかえっています。

最近、大阪への観光客の数は飛躍的に増えているようで、この数年間でも数倍の数になっています。去年は940万人の外国人観光客が大阪を訪れ、その中でも大阪みなみといわれる心斎橋―難波―日本橋の徒歩圏内の小さな区画には年間600万人もの外国人が訪れたようです。少し寂しいと感じていた裏通りも観光客であふれかえっていてびっくりしました。

平日の日中では道頓堀と心斎橋筋では、もしかしたら歩いている人の8割くらい外国人かもしれません。中国、韓国からの方が多いようですが、今年はそれ以外の国の方もかなりおられます。いろいろな国の言語で書かれた看板が並び立ち、中国語で呼び込みをしているのを見つめてみると、日本の国ではないのではと少し錯覚します。安くて美味しい庶民のグルメ、手軽な買い物、大阪の雰囲気をすぐに味えるなどの理由が人気を呼んでいるようですね。

地図を片手に困られている方も多く見かけます。自らの経験では、お互いに全く言葉が通じない時でもgoogleのマップを表示して、方向だけ指で刺ししめすだけで解決しそうです。困っている人の役に立ちたいと思われる人情あふれるVolunteer精神がある方は、みなみのまちはかなりおすすめの状態です。

大阪みなみはお世辞にも上品な街ではないですが、昔も今もいかなる人も分け隔てなく来られる人を受けいれてきた人情あふれる街であり、活気あふれているのが一番似合っています。この活気が一過性ではなくこれからもずっとつづくよう目を細めて見守っていきたいという想いです。

それと余談ですがこの歌詞にはさらに続きがあり、60代になられた大阪で生まれた女は、今では孫もできて大阪の上六を歩いているという展開へとつづいていくようです。

一覧に戻る