院長コラム
Column

大阪みなみの取引模様

2018年04月04日

日本人はきっちり現金明朗会計が昔より大好きです。今でも日常の買い物などの支払いの時には、現金で支払うのがほとんどです。おそらく現金を持ち歩いても安全な国だからということが背景にあるのでしょう。

しかし、身の回りを見渡しても、最近ではコンビニなどの多くの場所で現金の必要のない決済方法が増えてきています。

そして医療の分野でもクレジットでの信用決済は広がってきています。

大きな病院では、費用も大きくクレジットカードでの決済に対応しているところが増えているのだと思います。しかし保険診療をされているクリニックの多くは、今でも現金のみでの会計が多そうです。

当院はカード決済も可能です。クリニックの開院初日に旅行中の中国の方が来院されました。日本のお金をもっていないということでしたので、その場でばたばたとカード会社に連絡して、クレジットカードによる決済でなんとか難をしのぎました。

そのため当院では必然的に診察の支払いはカード決済にも対応する運びとなりました。今思い出しても本当にばたばたした船出でした。

その後も海外からの旅行中の方が時折来院されますのでクレジットカードでの決済は今では必須のアイテムです。

どれくらいのクリニックがクレジット決済可能なのか?と気になりましたので、ネットでの病院紹介サイトで調べてみました。その結果、50程度のクリニックが選択されました。

大阪市には3000以上のクリニックがあるのですが、クレジット決済されているクリニックはあまり多くなさそうです。しかしうちのクリニックも対応できない方に分類されていましたので、信憑性は不明ですが。。

しかしカード決済では売上の3%以上はカード会社にとられるのです。商売をされている人では収益上は明朗な現金会計が有難いといいそうです。

クレジットカードによる決済以外にもスマホを使った電子決済は世界的には爆発的に増えてきています。

特に中国では電子決済を行う人は劇的に増加し、この1年間で98%以上の人がスマホを使用した電子決済を行うようになったそうです。一方、日本人は未だ6%程度の人のみが電子決済で、ほとんどは現金での会計です。

少し前まで中国の方は日本に比べて遅れたところがあるという認識を持っていましたが、凄まじい勢いと先進性への適応力です。

中国ではQRコードとスマホアプリを使用した方式の電子決済が主流です。街の商店街の八百屋や魚屋では商品にはQRコードが付いてあり、買い物をするごとに商品のコードをスマホに取り込んで電子決済をすることがほとんどなそうです。まさに最近話題のIOT(Internet of tool )です。

大阪みなみのドラッグストアでは多くの中国の方が、ごっそりと買い物をしていきます。この1年でも大阪みなみに10店舗以上は増えたそうです。商品の横にはコードがついてあり、観光客のよく訪れる店では必要な決済方法のようです。

少し前のニュースでもアメリカの物流大手のアマゾンと金融大手が共同で同じようなIOTの会計システムを導入すると報道されていましたので、このような電子決済の流れは世界中あらゆるところにどんどん広がっていきそうです。

私自身、つい最近までほとんどの買い物は現金で払うというかなりアナログ派でした。そして腕時計もほとんどはめないようなアバウトな生活でした。

開業直前に勤務していた病院の循環器内科スタッフが、開業祝いとしてApple watchという電子時計をプレゼントしてくれました。そろりそろりと使ってみると本当に便利なツールです。

AppleではID決済の電子マネーの機能も含まれています。あらかじめクレジットカードの情報を登録しておきますと、すぐさま電子マネーでの決済が可能となります。

クリニックビルの直下には「なんばWalk」の地下の飲食街があり、よく昼飯を食べにいきますが、多くの店ではID決済可能です。食事後にApple watchを検知器にかざすだけですぐさま会計終了です。

少し前まではほとんどは年配の方がいかれるような和食の店でもID決済可能です。おそらく海外の旅行者が和食の店にはよく入られるためでしょう。

ポイントを貯められている人はポインコも喜びそうです。

Apple watchにはSuicaもすぐに登録できます。出張などの移動は地下鉄が多いのですが、自動改札の時に腕を少しかざすだけで通過可能となり、切符の心配は不要です。

右腕につけるほうが改札を通りやすいので、腕時計を左から右腕につけかえるようになりました。そして気が付けばほとんど現金を持ち歩く必要のない生活に変わってきました。

大阪みなみは観光客の増加に伴って会計の方法もどんどんかわってきています。

言われてみれば大阪の船場は江戸時代に世界で初めて信用取引(先物取引)が始められた地区です。今のみなみの街の取引も商人の街らしく時代に合わせ逞しく変化してきていることを感じています。

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