院長コラム
Column

私の履歴書

2020年08月20日

私自身、20年にわたり日本経済新聞を定期購読しているのですが、本コラムでも紹介する社会問題やAI関連の話については新聞に掲載されている記事から気づいたことを書いていることもあります。

新聞の最終面に「私の履歴書」というコーナーがあります。ひと月に1人会社の経営者や政治家、芸術家、スポーツ選手など社会的に大成功を収めている有名な方々を取り上げ、それぞれの方が人生を振ります。

ノーベル賞にも値する一流の医学研究者の話も時折ありますね。

1956年から60年以上つづいているようなのでいつの時代においても興味をもつ人の多い人気コーナーなのだと思います。

確かにいろいろ参考になるエピソードが書かれていますし、読めばよむほどどんどん内容に引き込まれてくるものがあります。

手のとどかないようなエリート街道を歩んでいる人はあまりにも距離が遠いのですぐに興味をなくしてしまいますが、やはり身近な庶民の感覚を持っている人の話が面白く感じます。

長々と自慢話を書きつづる人、人生ドラマを大切にする人、人間関係を大切にする人など、それぞれの人の大切にするものは多様というところでしょうか。

しかし、その中でも抜群の行動力があること、苦境に陥った時にいかに前向きにとらえて乗り越えていけるかが、共通の成功条件のような気もしてきます。

多くの人に助けられながらも苦境を見事に乗り越えていかれます。

いざ自分だったらと当てはめてみると、自分の至らなさを実感してしまいます。

個人的には経営者の話については興味がでてきます。

規模の大小はあれ、いかに物事を動かして運営していくかいう点に関しては、日常でも参考になるからなのでしょう。

特に自らで会社を一から立ち上げた創業者のストーリーが波乱万丈で面白く感じます。そしてあまり着飾らずに、人間らしい弱みを見せている人にも共感してしまいます。

最近で思いつく中では、オリエンタルランド、武田製薬、ニトリ、ジャパネット高田の社長さんの話などは個人的には推薦ですね。

先日の新聞の記事では、コロナ禍からGDPの成長率は-27.8%とされ、戦後最悪の不況レベルのようです。

おそらくこれから来年にかけていかなる業界においてもリストラや賃金抑制などかなりの苦境が待っているのかもしれません。

クリニックもそうなのでしょうが、会社の運営もままならないのかもしれません。

経営の神様といわれる松下幸之助さんは不況の時こそ将来へのもうけのチャンスだといい、稲盛和夫さんは苦しい時こそ心の持ちようだといわれます。

苦境のときこそ、ぐっと歯を食いしばって目の前で起きることを前向きにとらえて乗り越えていくことができれば、その後の人生の履歴書をより実りのあるものにしていくことができるような気もしてきます。

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