院長コラム

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パラサイト

2020年09月04日

少し前の記事に魚のベラの舌に寄生(パラサイト)しているウオノエの話が掲載されていました。もしかしたら新種のウオノエかもしれないというものです。ウオノエとは甲殻類のフナ虫の一種の総称で、魚の舌から栄養を得て成長します。

寄生している虫が宿主のベラを食べ殺してしまったという話です。しかし、宿主が死んでしまうと自らの身を滅ぼして種を保存できないので、間違った魚に寄生してしまったのかもしれません。

ウオノエを知らない私にとってはある意味新鮮な話でしたが、特に珍しい話ではないようです。多くの魚でよくみられ、魚つりをする人によると針を魚の口からとる時によくみられるのだそうです。

特に鯛に寄生するウオノエ(鯛の場合タイノエ)はスーパーの中で並んでいる鯛の口の中を見るとそれなりの頻度で潜んでいるようで、口を開けるとタイノエさんと目があうのだそうです。口いっぱいの大きさに夫婦で成長している場合もあるのだとか。

知らないうちに魚と一緒に料理されて口にしているのでしょう。少し調べてみると、それを集めて食べても結構おいしいという話もでてきます。

もし自分の舌に大きな虫が住んでいると想像するとかなり気持ち悪くなりますね。人間なら手で排除できますが、魚はだまって我慢するしかないのでしょう。

寄生虫を題材にした映画はいくつかあります。宇宙からの未確認生物が体内に入り込むことにより人間が死んだり、狂暴・怪獣化するというホラー映画が多そうです。

それだけ自分の体に寄生されることについては拒絶、恐怖反応を示す人が多いのでしょう。

少々気持ちの悪い話になってしまいました。

しかしよく考えみると寄生は生物にとって珍しいことではありません。正しい宿主に寄生した場合は共存共栄という関係となります。

もし宿主を過度に傷害してしまうと、自分の生命にも影響を及ぼすため、種族を保存することができないからです。

間違った宿主に寄生してしまった時のみ傷害を及ぼすことになるのかもしれません。

鯖やイカなどに寄生している線虫のアニサキスは急性の腹痛の原因として有名です。胃や腸の粘膜に潜り込むためです。重症の場合は緊急の手術が必要な場合もあります。

よくみると刺身の中でうごめいている時もありますね。

アニサキスは、オキアミ → イカや鯖などの多くの魚 → クジラやイルカの中に取り込まれて循環しながら成長します。本来の宿主であるクジラの中では問題なく成虫になることができるのですが、間違って人間に取り込まれてしまうと生きていけないため、胃の中で苦しんで暴れまわるため傷害を起こしてしまうのです。

人の場合は、自然宿主として回虫などの線虫が有名です。人版のアニサキスという感じなのでしょう。

今は衛生環境の改善によりあまり見られなくなりましたが、ほんの数十年前まで多くの人に寄生していました。

口の中にはいった回虫はまず腸の中に取り込まれ、その後に血管内に侵入し、肝臓に移動します。その後に肺に移動し、気管からまた口の中に移動して再度胃腸に移動して成虫になるという循環をくりかえすようです。

もちろん回虫が単独で移動する位では無害ですが集団になるといろいろな問題がでてきますので、それを排除する免疫機構もあります。

喘息・花粉症・アトピー性皮膚炎などのI型アレルギーの関与する好酸球やIgEは、本来寄生虫を排除するために体内に備わっている免疫機構です。

しかし、最近では衛生状態の改善により寄生される機会がなくなってしまいました。そのため昔ではほとんど見られなかったアレルギー疾患が増加してしまったという考察もあるのです。本来寄生虫に対する免疫が暴走して自分を攻撃してしまうということです。

そういう意味では、回虫は人間の体内に必要なものだったのかもしれません。

目に見える位大きな虫であれば気持ちが悪く感じますが、細菌レベルになるとかなり人間の体の一部になってきます。

例えば大腸菌などの腸内細菌がないと、人は生命を維持することはできません。生命の維持に必須なもちつもたれつの関係になっています。

そして細胞の維持に必須で生物のエネルギーの源であるミトコンドリアも細胞に寄生した細菌の一種です。

今年、アカデミー賞を含めた多数の映画賞を受賞した「パラサイト」という韓国の映画がありました。お金持ちに家族に寄生する貧しい家族の生きる姿を描いた映画です。

考えてみると人は皆、社会・組織・人になんらかの形で寄生しながらお生活しているといえるのかもしれませんね。そういう点では寄生しながらも共存共栄できる適切な関係も必要なのでしょう。


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