院長コラム
Column

鬼滅の心

2020年12月26日

アニメの「鬼滅の刃」が大人気です。映画も今年の一番のヒット作であることはもちろんのこと、さらには歴代の上映映画でも最も興行収入の高い映画への勢いです。

今年の漢字はコロナ感染を反映して「蜜」でしたが、「鬼」や「滅」などの漢字も上位にランクインされ、社会現象にもなりました。

少し前にクリニックのスタッフと最近の面白い漫画は何かという話をしていたところ、子供がこの漫画が面白いといっているよと教えてくれました。

個人的にカレーが大好きで月に数回はココ壱番屋のカレーを食べてしまうのですが、店の中には人気漫画がずらりとならんでおり、「鬼滅の刃」も並んでいるのに気がつきました。

そして気が付けば食事の時にこの漫画をすべて読破してしまいました。

その勢いで動画配信サービスにて以前のTV放映分をレビューし、映画館で今回の新作映画も閲覧しました。

本来は子供向けなのだと思いますが、確かに一度読みだすと大人でも癖になってしまう面白い内容です。

大正時代のおどろおどろしい描写、派手はアクションシーン、日本の鬼とドラキュラを掛け合わせたような興味ある設定、魅力あるキャラクターと立派な行動などなど、絶妙な背景の融合が多くの人を魅了するのでしょう。

鬼になってしまった人間とそれを退治する鬼滅隊の話です。

鬼は平気で人を殺しますので退治をされて当然です。しかし、鬼ももとは人間であり鬼なってしまったそれぞれの理由があります。

人間ではいられないほど心が傷つくエピソードがあったために鬼になったということもあります。そして周りの人間による悪意といじめからくる屈辱感もその原因なのでしょう。

自らが傷ついたから、周りのものも傷つけたいという反応は人の心の奥底にはあるのかもしれませんね。

そして心の中に鬼が住んでしまったために、本当の鬼になってしまったということもいえそうです。

悪役はすべてが悪いという設定のほうがすっきりするのですが、その原因は人間にあるということには同情するとともにいろいろと考えさせられます。

最終的には鬼滅隊の卓越した能力により鬼は退治されてしまいますが、心癒され本来の人の心を取り戻して成仏する鬼もいます。

自分が本当に大切にしたかった人からの感謝や許しの意が心の鬼を取り除いてくれたようにも感じます

今年もあっという間で年末になりました。

今年は新型コロナウイルスでいろいろとストレスも多く、心の中の鬼が出てきそうになった人もいるかもしれません。

しかしそれでも心の中の鬼を滅して心穏やかでありたいものです。

良くなかったことも含め何事に関して心を許せ、ありがとうと感謝できる鬼滅の心をもつことが心穏やかでいるには大切なのだという気もします。

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