院長コラム
Column
アサーティブ
2021年01月08日
年末年始もコロナ感染の猛威もあり、自粛をされたかたも多かったのではないかと思います。今年は不安やストレスもおさまり平穏な日がもどればと願います。
いざ自分の反応を振り返ってみると、昨年は急にイライラしたり感情を出していることが多くなっていることに気がつきました。
年齢的なものもあるのでしょう。おそらく男性更年期の症状の一つなのかもしれませんね。
コロナ禍においていろいろと気を遣うことも増えていることも関係しているような気もします。
不必要に気を遣うことによる反動により感情的になってしまうというのもあるのかもしれません。
言いたいことをうまく相手に伝えることができていないということもありそうです。そしてその感情の変化から、相手が気を害していることもあるのでしょう。
妻からは自分の言動に自信がないから、すぐにイライラして感情が表にでるのだといわれてしまいます。
日常の診察においてもそうなのでしょう。至らない対応のために不快に感じられている患者さんもおられるのだと思います。
いろいろと理由はありそうです。
よかれと思って勧めていることがうまく伝わらない、余裕がなくなる、待たせる時間がながくなってしまうことへの焦りもその一因として思いつきます。それ以外にもいろいろとあるのでしょう。
うまく耳を傾けてもらえないからさらに感情的になるという悪循環もあるのかもしれません。
しかし、少し冷静に考えてみると過剰な感情の変化は相手の気を害することにつながりますし、多くの場合あえて感情を絡ませる必要はないのかもしれません。
不必要な負の感情によって誰も得をしないことも多いのだということにも気づきます。
アサーティブ(assertive)という英語があります。聞きなれない言葉ですが、「自己主張すること」という意味です。
ただし、自分の主張を一方的に強要することではなく、相手の立場を尊重しながら適切な方法で自己表現を行うという意味です。
感情をそのままぶつけるのではなく、気持ちを言葉で表現しつつ、主張することです。その時には誠実、公平、敬意も必要なのでしょう。
診察でも患者さんの意見や立場を踏まえた上でこちらの意見を淡々と伝えるということだけが必要で、そこには過剰に気遣いやイラつきなどの感情は不要なのでしょう。
いわれてみると確かに自分に足りていない気もしてきます。
不必要に相手の心を傷つけることなく、うまくいったときだけお互いに素直に喜び合う関係でありたいものです。
過剰に感情を絡まさないで、大切なことを心穏やかに粛々と伝えるアサーティブを意識した診察・対応をするということを私の中での新年の目標としたい想いです。