院長コラム
Column
心臓の動きもバランスが大切です
2017年06月12日
普通、心臓は電気の刺激により筋肉が反応し、バランスをとりながら動いています。しかし、重症の心不全では、心臓の筋肉の状態がいろいろば場所に障害があり普通ではないので、電気が通りにくい場所ができるため動きのバランスが崩れている場合があります。
心臓のエコー検査などで心臓の動きをリアルタイムに観察すると、心臓の動きがいびつにうねったり、揺れ動いているときがあります。
ただでさえ、心臓の筋肉の状態が普通ではないのに加えて、心臓のバランスもくずれているとますます心臓に負担がかかるという悪循環を助長するため、ころがり落ちるように心臓の機能が悪くなってしまいます。
心室再同期療法というのは、重症の心不全の患者さんに使用するペースメーカー治療ですが、心臓の動きが極端におくれている部位にリードを留置して、心臓のバランスをとるものです。心不全の薬を使っても効果が乏しい最終的な治療法ですが、中にはバランスを適正化するけで薬がいらないのでは?と感じるくらい劇的に心臓の動きや症状が改善する方もおられます。
バチスタ手術というのは映画化もされましたが、心臓の動きがわるいところを取り去ってしまって、心臓を小さくさせバランスをとる大手術です。
組織もいくら良い人材がいても、そのバランスがわるいと業績が悪くなりますので、うまくバランスをとって運営していくのは組織や会社を運営していくという意味でも共通した大切な概念なのだと思います。