院長コラム
Column

よい医者とは

2023年03月17日

よい医者ってどのようなものでしょうか?よい医者になるにどうしたらいいのでしょうか?

悪い医者になりたいと思っている医師はいないようにも思うのですが、その評判は様々です。

私自身もできるだけよい医者になりたいと思っていますが、必ずしもそうではないのかもしれません。

もちろんきっちり診察して、質の良い医療を提供するということが基本だと思っていますが、それを実践したとしてもその評価は様々です。それ以外のことも必要ということなのでしょう。

いわれてみるとネットの口コミも目にあたります。当院の評価は、受付は親切ですが、医者はもう一つというところでしょうか。

当クリニックの評判はコメディカルに救われているともいえそうで改めて感謝です。

よくない評価には心あたりも少々あるので、あまりにも一方的だと反論したくもなりますが、診察中に気を害してしまったということは謙虚にうけとめる必要はありそうです。

しかし、言い訳に聞こえるかもしれませんが、私の気づいた範囲では正義感が強く勉強熱心な医師への患者さんからの口コミは必ずしもよいわけではないという気もします。

きっちりとした医療を受けているかどうかは表面的にはわかりにくいからなのでしょう。

そしていくら大切なことでも、意図に沿わない耳の痛い話をするとたいていは煙たがられます。

私自身、患者さんのためと思えばこそ時には少々厳しいことも言いたくなってしまいますが、その言い方がよくないと評判を落とす理由にもなってしまうのかもしれませんね。

また、多くの人の心中には、「赤ひげ先生」がよい先生の像として心に浮かぶのかもしれません。

「赤ひげ先生」とは、山本周五郎さんの時代小説で、貧しい人からお金をとらず献身的に治療にあたる江戸時代の医者です。

映画やドラマでもその姿が描かれ、その献身的な姿に多くの人が共感するのでしょう。

医師会にも赤ひげ大賞という賞があり、地域医療に貢献した医師が表彰され、そのような医者をめざすべきだというメッセージもありそうです。

それでは江戸時代からきた「赤ひげ先生」が現代で開業したらどうなるでしょうか?

残念ながら、今の医療システムでは赤ひげ医院は1年で廃業することになりそうです。日本の保険診療がそれを支えるシステムになっていないからです。

多くの人が医者は「赤ひげ先生」であるべきだと賛同しているのであれば、それを支える構造をめざすべきなのだとも感じますが、全くそうなっていないというのは、矛盾を感じてしまいます。

時代により、社会や人の価値観は変化を示しますし、それぞれの地域によってもよい医者の像もかわってきます。

そして、患者さんが医者に期待することも千差万別で、よい医者のイメージも患者さんとってもそれぞれです。

検査できっちり評価してくれたと喜ぶ方もいる一方、必要でない検査をされた、もうけ主義だと非難する方も。同じことをしてもその反応はいろいろです。

今の多様な価値観の時代、それぞれのニーズにうまく答えることできるのがよい医者ということなのかもしれません。

いろいろ考えてみても私自身、すべての方を満足いただけるにはまだまだ足らないことがあり、よい医者への道はまだまだ険しそうです。

今通院を継続いただいている患者さんの信頼をうらぎらないよう、粛々と謙虚に診療に努めることが私にとってはまずは必要なことなのかもしれません。

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