院長コラム
Column

ダイエットの秘訣

2023年07月13日

肥満の状態がずっとつづくと高血圧、糖尿病、高脂血症、睡眠時無呼吸症候群などの生活習慣病につながることがどうしても多くなります。

いわゆるメタボリックシンドローム(メタボ)です。

たとえ健康にみえる若年の方でも、肥満歴の長い人は血液検査の異常や脂肪肝などを高率にみとめますし、中高年の方ではほぼ必発といっても過言ではなさそうです。

複数のリスクのある状態がつづけば、将来の動脈硬化のリスクも加算式に高くなりますので注意が必要です。

メタボの方では体重を適正に減少・管理することにより、病状があっというまに改善することが多く、その取り組みへの優先度は高くなります。

しかし、外来でダイエットの大切さを説明してもなかなかうまくいきません。

毎回の診察で耳の痛いことを指導すると微妙な雰囲気になることもあり。

「そうはいってもね」の気持ちは私自身よくわかるので、気がつけばこちらもそれを受け入れたやさしい言葉になってしまうというジレンマもありそうです。

「痩せる薬はありませんか?」と診察でお願いされる方もおられます。

よさそうな漢方薬を処方することはありますが、適応をはずれた処方をすることは保険診療ではみとめられていません。

最近、自費による肥満クリニックができていますので、そちらのほうを受診される方もおられるのかもしれません。

自費クリニックでは、糖尿病の治療で使用される薬がダイエットによく使用されているようですが、その安全性や有効性をきっちりと証明するにはまだまだ時間がかかりそうです。

兄が小児科のクリニックを開業しているのですが、外来での肥満指導もそれなりにあるそうです。

子供時代の肥満は、高い確率で将来の肥満につながります。

そのため、肥満の子供は積極的に肥満指導をうけることが啓蒙されています。

子供の肥満指導にはかならず親も同席させるということが原則です。そして多くの親は子供と同じ体形をしていることが多いとのこと。

おそらく食生活、生活習慣、考え方、体質などが似ているからなのでしょう。

そして、子供だけではなく、家族全員でダイエットに取り組むこと成功の秘訣なのだと。

かならず親も含めてまわりの環境をあらためましょうということです。

言われてみると大人でも家族ともどもダイエットに参加・協力してもらうということが大切なような気がします。

一人暮らしの方では、同僚や友人と一緒にというのでもいいのかもしれません。

一人だけの心は弱いものです。継続的に生活習慣を変えるには周りの人の理解と応援も大切ということなのでしょう。

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