院長コラム
Column
薬の処方
2024年01月26日
当クリニックでは、薬局さんや患者さんからの薬の問い合わせの電話連絡は本当に多いです。
おそらくはクリニック近隣の薬局さんで薬をだしてもらう場合が多いのだと思いますが、自宅の薬局で処方してもらう場合もあります。
おそらく30以上の薬局さんと連携しているのだと思います。それ以上かもしれません。
職場が近いとか、不整脈の治療後などの専門的な診察もあることなど、少し離れた地域からも通っていただいている患者さんもそれなり来院されるという当院独自の事情もあるのでしょう。
「あうんの呼吸」ではないからか、薬局さんからの敢えての確認の電話が多いのかもしれません。電話対応専門の受付も必要なのでは?と感じる時もたまにあります。
飲み方や量の確認、副作用について、新しい薬の確認、妊婦さんへの注意点などなど、電話の理由は様々です。
少々変則的な処方をすると必ず薬局さんからの確認があります。
もちろん私の不注意やミスもあります。そういう意味では、うまくフォローしていただいていると感謝しないといけません。
しかし、残念ながら時には「こんな処方はやめてもらうように薬局でいわれました。」といわれましたという患者さんからのクレームも。不信感をあおるような言いようはだれも得をしないのではとも。。。
処方への対応もいろいろとストレスがかかるのです。
そして保険診療では、薬の処方に対する査定は年々厳しくなっています。開業してからの数年の間でも事情はかわってきているような気もします。
最近では、薬を含めた診療レセプトの審査は自動チェックされています。
当院での処方が他のクリニックや病院で処方された薬と重なっていたり、必要分より節度以上の多い日数の処方は必ず審査の対象となります。
昔はなんとなくいい加減で大丈夫だったことが、最近ではきっちりしないとだめになったということなのでしょう。
特に睡眠薬や胃薬などは長めに処方しておいてと言いたくなるかもしれませんが、いわゆる置き薬をできなくなってきているのです。
おそらく使用日数以上の処方のチェックは、余った薬を周りの人に分け与えたり、それを他人に渡したりすることを禁止するためなのでしょう。
また、処方箋切れにともなうトラブルも本当に多いです。
処方箋をだして4日以内に薬を取りに行くというのが保険診療のルールなのですが、薬をとりに行くのを忘れてしまったということです。
期限をすぎてしまった後では、処方箋は原則自費扱いになるというのが保険診療のルールですが、納得できないと感情的にもなりがちです。
それが原因で薬の服用がとぎれないように願います。
さらには専門外の処方の問題も気づきます。よく皮膚科で処方された薬を診察のついでに出してほしいと言われますが、新しい高価な薬は専門以外ではだすべきではないとして査定されます。
気軽にだした水虫の薬が、半年間にさかのぼって数万円以上も保険者から返還請求された案件なども経験しました。
財政的な課題もあり、これからもどんどんチェックが厳しくなりそうです。そして患者さんも保険診療のしくみをある程度は理解いただく必要はありそうです。
もちろん医薬分業の理念は理解できますが、まだまだ機能的とはいえなさそうです。
今後電子処方箋なども導入予定ですが、さらなる効率的かつ安全なシステム確立への創意工夫は必要なのでしょう。