院長コラム
Column

血液型と性格

2018年02月05日

昔より日本人は血液型の話題が大好きです。あたなは〇型だからそうしたほうがいいというような話は昔からよく聞きますし、血液型と性質や相性についての本は数多くあります。

血液型のことを歌う唄も多数あり、昔学生の時にはよくカラオケでバラクーダの「血液ガッタガタ」の歌をみんなで合唱していたことを思いだします。

ABO血液型は赤血球の表面に現れる蛋白抗原による分類あり、輸血の時に拒絶反応の原因となります。日本人ではA型4割、O型3割、B型2割、AB型1割程度と報告されています。

医学的には赤血球以外にも型はいろいろあります。例えば白血球にも型があるのですが、なぜか赤血球の型でないとだめなようです。

真面目で几帳面なA型 おおらかでバイタリティのあるO型 マイペースなB型 少し2面性があり知的なAB型。というところでしょうか。

昔に有名な日本人の学者さんが血液型と気質に関する論文を発表されたのがことの始まりなのだとか。

日本以外の国では韓国、台湾も血液型で性格分類することが好きなようですが、ほとんどは日本からの影響のようです。それ以外の国では自分の血液型すら知らない人が多いと言われています。

日本人は血液型以外にもどこ出身だとかということもすごく気にしますので、本当にタイプ分けすることがすきな国民性なのだと思います。

人事評価や入社の面接で血液型が参考にされていた時期もあったそうです。しかし、血液型で入社の合否を判断するのはいかがなものかということで、今は面接で血液型を聞くことは原則禁止です。厚生省からの勧告も必要としました。

私はA型(AO型)です。自分としては真面目というのは当たっていそうですが、几帳面というのはあまり当たっていないように感じます。

血液型信者の方は、いろいろ評価してくれました。まじめそうに見えるのでやはりA型ですかと見事にあててくれる時もあります。外れた時でもA型でしたか、、、そうは見えなくても実は几帳面なんですねともいってくれます。少し結論ありきのような気もしますが、はずれた時も解釈を少し変えることによりかなりの正答率です。

日本以外の外国の血液型の頻度について少ししらべてみました。日本人が真面目で几帳面という国民性はA型が多いからだという説があります。

国によっては血液型にそれぞれ特徴があり、世界的にはA型とO型が多いようでAB型はとても少ないようです。

Rh-型は日本人ではとてもまれですが、外国ではRh-型はけっこうよくみられる所見です。海外の方へ輸血する時はこの点注意が必要です。

アメリカでは、白人と原住民はO型が多いですが、黒人は8割以上がA型です。

B型は中東からインドに比較的おおそうです。

ヨーロッパの国では、ほとんどはA型とO型です。ドイツ人はA型が多いため日本と同じく真面目なのだと聞いたことがありましたが、フランス、スペイン、ポルトガルの方がA型は多そうです。

イギリスやドイツなどの同じゲルマン民族でも国によっては差がありそうです。アイルランド、アイスランドなどの北方ではO型の比率が高くなっています。

北の方に住む人は厳格でまじめ、南の地域に住む人はおおらかで陽気というイメージはありそうです。しかし血液型と気質との関係は一部あたっているというところもあるかもしれませんが、当たっていないところも多々ありという印象です。

残念ながら理論的には血液型と性格を結び付けるのはかなり無理がありそうです。いくつかの医学雑誌でも血液型と生物学的特性との関係は否定されています。

しかし、そうはいってもそれでも日本人は血液型のことは大好きです。おそらく血液型信者の方は寒いところの人は温かいところに住むとすごくおおらかになるはずだと解釈するのだとおもいます。

どこかにグループ分けしないと気がすまないのが日本人で、血液型は日本の文化の一つなのかもしれません。

診察の時にも血液型のことは時々会話にでます。

自分の血液型〇型なので心配性とか、〇型だから病気のことが気にならないとか、〇型だから薬をちゃんと飲めないのだということなどなど。それは関係がないのでは?というと話が全くすすまないので、そうかもしれませんねと言ってしまいます。

もしかしたら血液型信者の方では、血液型のタイプもうまく利用する必要があるのかもしれません。「信じるものは救われる」方針です。

本来、あなたは〇型で几帳面なところがあるはずだから定期的にうまく薬が飲めるはずだとか、〇型でおおらかなはずだからあまり神経質なりすぎないでいいというような指導の仕方もありなのかもしれませんね。

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