院長コラム
Column
ONLY ONE
2019年04月26日
黒飛(くろとび)という姓はとても珍しいので、覚えていただきやすいのではないかと思います。とても個性的な名字ですね。
患者さんには変わった名前だから悪いことはできないのですよという時もあります。その責任も大きくなるのでしょう。
自己紹介をするとよくどこ出身ですか?とよくいわれます。
ネットで検索してみると黒飛という姓は全国で960件が電話帳に登録されており、まず広島県が710件、大阪(2番目)にも90件あるようです。
広島県の尾道あたりが名前の発症のようです。父の実家近くのお墓では黒飛の名前がずらりとならんでいます。
尾道の街を背景にした大林宣彦監督の映画も有名です。私の叔母が監督と小学校と中学校の同級生とのことです。猫にやさしい街としても有名ですよ。
さらにネット検索によると黒飛(くろとび)という名前は、ゲームのキャラにもあるみたいですね。
竜、忍、ネコのキャラなどがでてきます。
大空を舞う、忍者、身軽に飛び回るなどのイメージに結び付けて覚えていただきやすいのかもしれません。
今でさえ黒飛という名前は気に入っていますが、小学生や中学生の時には先生や同級生からもけったいな名前やなーということで、本当によくいじられました。
今思い出しても少しいやな記憶が蘇ってきます。
田中さんとか鈴木さんとか、よくある名前に生まれてきたかったとよく思ったものです。
名前だけでなく、少しかわった身勝手な行動をとってしまうので、協調性がないので心配ですと先生からよく批判され、その項目の通信簿は最低ランクでした。親もちゃんとした大人になれるのか少し心配したそうです。
当時は、個性よりも協調、和などが大切な時代でした。みんなと一緒で目立たないというのがよいとされていたように思います。
しかし、今は個性が大切な時代になってきました。
「世界にひとつだけの花」という歌が大ヒットしましたが、個性を大切にしてONLY ONEを目指すということに多くの人は共感しているのだと思います。
会社でも日本式護送船団というシステムが立ち行かなくなった今、個性がないと埋もれてしまいそうです。
私自身の経験をふりかえってみても人があまりやらない個性的なことをすることは意義が高いように感じます。
私が不整脈を専門とすることになったのは病院や同じ医局の中でたまたまやっている人がいななかったというのが始まりです。
当時、関西では不整脈に興味をもつ医師は少なかったのです。
そして不整脈のカテーテル治療については、多くの患者さんの治療に携わることができました。自分の周りの環境ではONLY ONEだったからなのだと思います。
もちろん最初はわからないことだらけでいやになりそうになった時もありましたのでいろいろと努力は必要です。
しかし、人が興味を示さなかったことをすることができたので今の自分の居場所があるのだと常々感謝しています。
そしてクリニックとして独立してからも治療を継続でき、専門性を継続することができています。
医師の世界でも花形といわれる一見魅力的な競争の激しい分野に飛び込み、立ち行かなくなった優秀なDRはよく見てきました。
若い方にどのようにしていけばいいですか?と相談された場合、人がやっていない(やりたくない?)ONLY ONEなことを探してはどうですか。とアドバイスしたいくらいです。
これからも個性的な名前にまけないようなONLY ONEの責任あるクリニックを目指していろいろと工夫をしていきたい想いです。