院長コラム
Column

リーダーのホルモン

2019年07月26日

女性ホルモンが女性らしさの象徴であるように男性ホルモンは男性らしさの象徴です。

男性ホルモンと言われてどのようなイメージを持たれるでしょうか?男性ホルモンの体の中にあふれると攻撃的とかすぐ怒りやすいというイメージもあるのかもしれません。

北斗の拳などのアニメキャラでも男性ホルモンが高そうな筋肉隆々キャラの人はすごく荒くれもので狂暴ですね。

しかし、実は狂暴で攻撃的な人は男性ホルモンの量は低いのです。心の中がイライラしてストレスが溜まるから周りに怒ったり、怒鳴ったりするのです。

よく吠える噛みつく犬は男性ホルモンの量は低下しています。男性ホルモンをあえてすくなくなるように操作した動物も狂暴でよく噛みつくようになるようです。

それでは男性ホルモンが高い人ではどのような性質になるのでしょう。

男性ホルモンのレベルが高いと、チームをまとめる、社会性がある、リスクをとる、冒険をするなどの性質をもちます。いわゆるリーダーの資質に必要のホルモンとも言えます。

そして包容力のあるゆったりとした雰囲気にもなり、周りの人はその人に近寄りたいという願望もでてくるようです。

女性の方が男性より、平均的にホルモンの量が少ないのですが、男性より高くなっている女性もいます。いわゆる男勝りという方です。

男性ホルモンの量は年齢とともに少しずつ低下していきます。中高年の方で急にこのレベルが低下してしまうのが男性の更年期です。

男性の人は歳とともに少しずつ元気をなくして社会性をなくしていく人が多いのに対し、女性の人では、60歳位から逆に元気になっていく人が多いのは(いわゆるおばちゃん?)、男性ホルモンに影響をうけている可能性もあります。

大阪のおばちゃんの姿にも重なってくるような気もしてきます。大阪のおばちゃんではもしかしたら男性ホルモンが高くなっているのかもしれませんね。大阪のおっちゃんもおばちゃんに負けないようにしないといけません。

生活習慣としては、ストレス、肥満(メタボ)、運動不足などが男性ホルモンを低下させます。

組織に服従し、長期的にストレスにさらされているいわゆる昔からの日本式経営のもよくなさそうです。仕事後の飲み会での愚痴も男性ホルモンが低下してきている証拠かもしれませんね。

当クリニックでも男性ホルモンの低下に伴って不調をきたしたいわゆる男性更年期の方に補充注射治療を行っています。

検査だけでは説明のつかないいらいらや元気がないなど、ホルモン異常に関係する多くの症状を改善しうる優れた治療だと思います。

日本では目新しい治療かもしれませんが、戦時中にも使われていた古くて新しい治療です。欧米ではホルモン治療はより身近な存在として多くの方が受けられています。

高齢者に対しても元気を取り戻すなどの有用性を示唆する報告もあるようです。

来る長寿社会において、男性ホルモンはいきいきと元気に生き続けるためのキーワードになるような気もします。

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