院長コラム

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2040年問題

2019年07月03日

以前、2025年問題についてコラムで書きましたが(2017年10月2日分)、2040年問題も迫ってきています。

最近では医療の講演会などでも2040年問題のことを取り上げることが増えているように思います。医療側からみると2025年問題よりもインパクトがおおきそうです。

2025年問題が、高齢化に伴うお金の問題とすれば、2040年問題は社会や医療の構造問題なのかもしれません。

人口の多い団塊の世代の方が社会保障の必要な高齢者になるのが2025年で2040年には80歳の半ばを超え、人生の終焉に近づきます。

2040年あたりに高齢化が最も顕著になり、1年に170万(地方の県の1つくらい?)位人が死んでいく多死社会になるのです。

65歳以上の高齢者の割合も人口の4割程度まで増加します。

現在、およそ8割の人が病院で最後を迎えるといわれています。しかし、一方では入院には多くのお金が必要となるため、国としてはどんどん入院するベッドを減らす方針としています。

今でも病院で死ぬことに関してはいろいろな意見があります。しかし病院で死にたいと思っても必然的に病院では死ぬことができない時代になっていくのです。

将来には、十分な社会保障を受けられない人もでてくるのかもしれません。その中でも目の前で多くの人が亡くなっていくことを受け入れて必要がありそうです。

そのためには在宅医療やクリニックと病院との連携もますます重要になってくるのでしょう。

そして、どのように死にたいかをあらかじめ決めておく必要性がでてくる時代になるのかもしれません。

出生率も低いままなので今後も若い世代の人も少ないままのようです。若い人の世話になるわけにはいけません。

ピンピンコロリといいますが、高齢になっても介護を必要としないずっと元気な状態でいるためには病気の予防を普段から心がけていく必要性もでてきます。

それでは高齢社会では人はどのような病気でなくなるのでしょうか?

現在、人は癌でなくなる方の割合が一番高いといわれています。

しかし80歳を超えた人では、癌でなくなる人の割合はどんどん小さくなるのです。

歳とともに、血圧も高くなり、動脈硬化も進展します。その結果、心不全や不整脈などの循環器病や脳卒中の頻度が増加してきます。

高齢の心不全患者の生命予後は、癌の方と生命予後は同じ位と推定されています。

そして、心不全や脳梗塞により寝たきりになると肺炎による死亡も増えてきます。

高齢社会では、心不全や脳梗塞などの循環器病、そしてそれに付随する肺炎で多くの方は亡くなるのです。

これからの管理の重要性から、脳卒中・循環器病対策基本法も昨年末に国会で成立しました。

不整脈の中の心房細動は心不全や脳梗塞の原因になります。

心房細動の頻度は年齢とともに増加し、80歳以上では10%以上の方で出現してくる日常でもよく見られる不整脈です。

心房細動により脳梗塞をおこしてしまった場合、6割以上の方が寝たきりもしくは社会活動に介助が必要となりますので、その治療は大切です。

心房細動を積極的にカテーテル治療で根治し、抗血栓薬を使用することにより血液をさらさらにしておくことは、将来の脳梗塞や心不全の発生を予防します。そして生命予後も改善することが大規模な調査によっても明らかになっています。

そしてそれは認知症の予防にも貢献しそうです。

これからの長寿時代では、不整脈を含む循環器病をあらかじめきっちりの診断し、治療しておくことは2040年を乗り越えていくうえでもとても大切なのだと思います。

 

 

 


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