院長コラム

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敵を知る

2020年03月26日

新型コロナウイルスの欧米を中心としたパンデミックが爆発的に広がりつつあります。日本中が楽しみにしていたオリンピックも中止が決定しました。

ジョンズホプキンス大学の掲示サイトでは現在で世界の47万人が感染し、死者は2万人を超えているようです。

https://gisanddata.maps.arcgis.com/apps/opsdashboard/index.html#/bda7594740fd40299423467b48e9ecf6

ドイツのメルケル首相は、第二次大戦以来の危機といい、フランスのマクロン大統領は、ウイルスの戦争だと宣言しました。

少し前まで他人事のようだったアメリカも感染者が急増し、渡航・外出禁止を宣言しました。

ニューヨーク州やカルフォルニア州は患者の隔離治療のために 軍艦の中に大規模な病院にかわるベッドを確保する様相です。

イタリアの死者は7500人に上り、9日前の前回のコラムの作成時よりも3.5倍に増加しました。

ホットスポットであるイタリア北部やスペインの一部では医療崩壊の状態とされています。

本来医療はすべての患者さんに提供されるべきですが、とても手がたりなく、十分な治療がでない状況です。助かる見込みの高そうな患者のみを優先的に治療し、それ以外はたとえ重症患者であっても放置せざるをえないようです。

そして死者は軍の装甲車により病院より運び去られ、戦時中の野戦病院と同じ様相です。

まさにウイルスとの戦争が始まったのだという気もしてきました。

日本でも本当に大丈夫か?とかなり不安になってきますが、パニックになるのではなく、ここはしっかり冷静になることも必要ですね。

戦国時代の兵法にもあるように「彼を知り己を知れば百戦殆うからず」にもあるように、戦い勝利するにはますは敵を知ることが大切です。

ボクシングでは、あらかじめきっちりと敵の強みや弱みを知り、パンチをもらわないように感じでしょうか。

自分の体に自信のある人のほうが、過信となり隙が増えるということも言えるのだと思います。そういう意味では、自分の弱みもきっちりと知っておく必要もありそうです。

敵をしらないから不安がどんどん大きくなり、パニックになるというこということもあるのでしょう。敵の特徴を知ることは心の安心にはつながります。

たとえ目にはみえなくともその姿や特徴を頭の中でイメージすることはできます。宇宙から謎の生命体が入り込んできたら世界中の人はまさにパニックですが、ある程度イメージのつく季節性のインフルエンザであれば冷静に対応できそうです。

まずはウイルスにかからないように予防することが戦いの第一歩です。

今さらかもしれませんが、みんなが共有でき実践できる大切なことですので、予防に関する新型コロナウイルスの特徴についていくつか気がつくことを書いておきます。

くしゃみや咳にともなうエアゾルによる飛沫感染が感染の主要経路と考えられています。くしゃみや咳で飛び散ったウイルスを含んだエアロゾル(微小な空気中で浮遊できる粒子)は外気では,2mまで到達する前には乾燥して感染性が消失するとされます。そのため人と2mを意識して間隔をとることが大切です。

乾燥に強い麻疹ウイルスなどでは空気中に浮遊するので罹らないないようにすることは不可能ですが、コロナウイルスは自宅待機をすることにより他人からの感染は予防できます。

しかし,湿気のある密室では空中に浮遊するエアロゾル中のウイルスは乾燥を免れるため,数分から30分程度,感染性を保持するとされています。そのため湿気の高い密室では2m離れていても,その予防は不十分です。くしゃみや咳だけでなく,会話時の呼気に含まれるエアロゾルさえ感染性を保持して浮遊し,吸気によって上気道または下気道で感染するとされます。

インフルエンザでもそうですが、大きな声をだすカラオケボックスやライブなどの閉鎖空間が最も感染が広がる場所となりえます。

また接触による感染についても注意が必要です。くしゃみや咳についたティッシュや手がウイルスを含んだ粘液で汚染され,その手でドアノブなどの物を触り,そこに付着したウイルスが物を介して別の人の手にうつり,その手を顔面にもっていくことで感染が成立します。

ウイルスは便からも排泄され、プラスティックなどの表面で3日程度,痰や糞便では5日,尿中で10日、ウイルスは生存するとされています。

身の回りのことを思い浮かべるとドアノブ、手すり、テレビなどのチャンネル、パソコンキーボードや文具用品、トイレの時に手を触れる機会が多そうな気がしますので特に注意が必要です。

特に公共のトイレでは、手洗いの蛇口やドアノブを直接ふれないようにティッシュを介して触れるなどの配慮も必要なのでしょう。

コロナウイルスはエタノールや有機溶媒で容易に感染性がなくなりますので、汚染されたと感じた時には適宜石鹸で手洗いをし、アルコール消毒をしておく意義は高いのだと思います。

海外からの第二波も危惧され、多くの人が感染する長期戦の様相もでてきました。

クリニックの帰りには、休校にもかかわらず多くの若者がアメリカ村に集まっているのをみると今後の一抹の不安も感じ、大きな津波の前の静けさのような気もしてきます。

そしてウイルスの戦いに勝つには手のとどかない風評によりパニックになるのではなく、まずは自身の回りのことでできる感染予防を冷静に粛々と実践していくことが大切なのだと感じます。

コラム一覧

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